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屋根の漆喰とは?役割・劣化サイン・補修費用までプロがわかりやすく解説

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屋根の漆喰とは?役割・劣化サイン・補修費用までプロがわかりやすく解説

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KJリードコラム編集部

KJリードは、川越市・鶴ヶ島市・坂戸市を中心に、埼玉県内でこれまで2,500件以上の施工に携わってきたリフォーム会社です。
代表はニチハ金属外装施工管理士の認定を取得しており、現場の状況を踏まえた提案を大切にしています。

外壁塗装をはじめ、屋根リフォームなど各種リフォーム工事に対応しており、実際の施工現場での経験をもとに、住まいの状態や将来を見据えた判断ができるような情報発信を行っています。

「屋根の漆喰が剥がれていますよ」と業者に言われて、漆喰がどんなものかよくわからないまま戸惑った経験はありませんか?

屋根の漆喰(しっくい)は普段は目に見えにくいものですが、実は雨漏りや瓦の落下を防ぐために欠かせない重要な建材です。

この記事では「漆喰とは何か・どこに使われているのか・なぜメンテナンスが必要なのか」を、わかりやすいように基礎から丁寧に解説します。

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漆喰(しっくい)とは?そもそも何に使う素材?

漆喰補修工の棟戻し前の様子(坂戸市)

漆喰とは、消石灰(水酸化カルシウム)を主成分とした塗り壁材のことです。

「消石灰」と聞いてもピンとこない方も多いと思いますが、簡単に言うと石灰石を高温で焼いて水を加えたものです。
そこに麻すさ(植物の繊維)や海藻のりを混ぜ合わせて作られており、乾燥すると固く白い壁材になります。

もともとは日本の伝統建築に広く使われてきた素材で、お城の白い壁(白壁)・土蔵・茶室など、至るところに使われてきました。

現代でも屋根から内壁まで幅広い場所で活躍しています。

漆喰の原材料と特性

漆喰が長年使われ続けている理由は、その優れた特性にあります。

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特性内容
耐火性石灰は燃えないため、火が広がるのを防ぐ
調湿性湿気を吸ったり放出したりして、結露を抑える
抗菌性強いアルカリ性なので、カビや雑菌が繁殖しにくい
防水性固まると水を通しにくくなり、雨の侵入を防ぐ

こうした特性から、雨水対策として非常に優れた素材として長年使われてきました。

屋根以外での漆喰の使われ方

漆喰は屋根だけでなく、外壁の仕上げ・土蔵の壁・和室の内壁・神社仏閣など、幅広い場所に使われてきた万能建材です。

近年は自然素材ならではの温かみから、新築住宅のインテリア壁材としても人気が高まっています。

屋根用の漆喰の種類

屋根に使われる漆喰には主に4種類あります。

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種類特徴主な用途
本漆喰消石灰・麻すさ・海藻のりで作られた伝統的な漆喰。品質が高く耐久性に優れる神社・仏閣・格式のある住宅
土佐漆喰藁(わら)を発酵させたものを混ぜた漆喰。弾力性があり雨に強い雨の多い地域の屋根
南蛮漆喰漆喰に黒土や油を混ぜたもの。防水性と粘着性が高く近年普及一般住宅の棟部分
既調合漆喰工場で配合済みのインスタント漆喰。品質が安定していて施工が容易現代の住宅修理全般

現在の一般的な住宅修理では「南蛮漆喰」や「既調合漆喰」が多く使われています。

屋根のどこに漆喰が使われているのか?

「漆喰が屋根に使われている」と聞いても、どの部分なのかイメージしにくい方も多いでしょう。

漆喰が使われている箇所は主に3つあります。

①棟(むね)部分の漆喰

棟(むね)とは、屋根の頂上や斜面の合わせ目のことです。
屋根を横から見たとき、一番高いところにある盛り上がった部分がそれです。

棟には「棟瓦」が積まれており、その土台となる「葺き土(ふきど)」と呼ばれる粘土を保護するために漆喰が塗られています。

ここが最も漆喰が多く使われる場所であり、最も傷みやすい箇所でもあります。

②軒先(のきさき)部分の漆喰

屋根の端っこ、雨が垂れてくる部分を「軒先(のきさき)」と言います。
軒先の瓦と瓦の間の隙間を埋めるために漆喰が詰められており、虫や雨風の侵入を防ぐ役割を果たしています。

棟ほど知られていませんが、劣化すると雨水の侵入口になるため見落とせない箇所です。なお現代の新築工事では軒先への漆喰施工は行わないことが多く、年数が割と経過した住宅に多く見られます。

③面戸(めんど)漆喰とは

棟瓦の下部にある三日月状の隙間部分に塗られた漆喰を「面戸漆喰(めんどしっくい)」と呼びます。

イメージとしては、棟瓦を下から支えるように詰められた漆喰で、瓦の隙間を埋め、棟の内部への雨水の侵入を防ぐ重要な役割を担っています。
外から目視しやすい部分なので、ここが剥がれていると補修が必要なサインです。

ちなみに面戸漆喰は塗りすぎると逆に雨漏りの原因になることもあります。

適切な量の施工が求められるため、DIYではなく専門業者への依頼が重要です。

屋根における漆喰の役割

漆喰が屋根に使われている理由は、見た目の美しさだけではありません。

以下の4つの重要な役割を担っています。

①葺き土・台土を雨水から守る

棟の内部には「葺き土(ふきど)」または「台土(だいど)」と呼ばれる粘土が詰まっており、棟瓦を支える土台になっています。

この葺き土は水分に非常に弱く、雨が当たり続けると少しずつ溶けて流れ出てしまいます
漆喰はこの葺き土を覆い、雨水が直接当たらないよう保護する「蓋」の役割を果たしています。

②瓦を固定してズレ・落下を防ぐ

「瓦って釘で固定されていないの?」と驚かれる方もいますが、瓦屋根の瓦は全てが釘で固定されているわけではなく、葺き土と漆喰によって支えられている部分が多くあります。

漆喰が劣化・剥落すると葺き土も流れ出し、瓦を支えるものがなくなってしまいます。

その結果、強風や地震の際に瓦がズレたり抜け落ちたりする危険が高まります。

③防水性を高めて雨漏りを防ぐ

漆喰は瓦の隙間を埋めることで、雨水が屋根の内部に侵入するのを防いでいます。

特に棟部分は屋根の最も高い場所にあり、雨水が集中しやすい箇所です。
漆喰が剥がれてその隙間から雨水が入り込むと、やがて天井からの雨漏りへとつながります。

④美観を保つ

白い漆喰は屋根の棟部分を美しく仕上げる化粧材としての役割も持ちます。

日本家屋の美しい屋根のラインは、漆喰が整えているともいえます。
逆に漆喰が黒ずんだりコケが生えたりすると、屋根全体が古びた印象になってしまいます。

瓦と漆喰の寿命の違い

瓦屋根の住宅オーナーが必ず知っておくべき重要なポイントがあります。
それは「瓦と漆喰の寿命は大きく異なる」という事実です。

瓦の耐用年数は50〜100年

日本の伝統的な粘土瓦(和瓦・いぶし瓦)は非常に耐久性が高く、適切にメンテナンスされた場合の耐用年数は50〜100年とされています。

「瓦は丈夫だから屋根は安心」と思われている方も多く、それ自体は間違いではありません。

漆喰の耐用年数は15〜20年(瓦より先に傷む)

一方で漆喰の耐用年数は15〜20年程度です。

つまり、瓦が100年持つとしても、漆喰は5〜6回は補修が必要になる計算です。

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比較項目瓦(粘土瓦)漆喰
耐用年数50〜100年10〜20年
主な劣化原因衝撃・凍害紫外線・雨・温度変化
劣化のサインひび・欠け・ズレ剥がれ・コケ・変色
補修頻度の目安一生に1〜2回程度10〜15年ごとの点検・補修が目安

「瓦が元気だから屋根は大丈夫」という思い込みが最も危険です。

瓦は問題なくても漆喰が劣化していることはよくあります。
屋根全体の状態ではなく、漆喰単独の状態を定期的に確認することが重要です。

漆喰が劣化するとどうなる?放置のリスク

漆喰の劣化を放置した場合、屋根には3段階で深刻な被害が起きます。

リスク① 葺き土(台土)の流出

漆喰が剥がれると、その下にある葺き土が雨風に直接さらされます。
葺き土は水に弱い粘土質の素材のため、雨のたびに少しずつ溶けて流れ出てしまいます。

葺き土が流れ出ると棟全体の構造が不安定になり、次のリスクへとつながります。
初期段階では気づきにくいため、気がついたときにはかなり進行しているケースも珍しくありません。

リスク② 瓦のズレ・抜け落ち

葺き土が流れ出た状態が続くと、瓦を支えるものがなくなります。
強風や地震が来たとき、瓦が大きくズレたり屋根から抜け落ちたりするリスクが高まります。

落下した瓦は雨樋や外壁を傷つけるだけでなく、人的被害を引き起こす危険性もあります。

また瓦が抜けた箇所からは雨水が直接屋根内部に侵入します。

リスク③ 雨漏りの発生

漆喰の劣化→葺き土の流出→瓦のズレという3段階を経て、最終的には室内への雨漏りが起きます。

雨漏りは天井や壁のシミから始まりますが、放置すれば断熱材・構造材の腐食、シロアリの発生へと発展します。
雨漏りになってから修理すると費用が大幅に膨らむため、漆喰の段階でのメンテナンスが経済的にも非常に重要です。

漆喰補修の施工事例

漆喰の劣化は、見た目だけでは補修で済むのか、棟全体の工事が必要なのか判断が難しい場合があります。

そのため、実際にどのような工事が行われるのかを知りたい方は、施工事例を参考にするのがおすすめです。

下記の事例では、実際の屋根工事の内容や施工後の仕上がりをご確認いただけます。
ご自宅の屋根と似た症状がないか、参考のひとつとしてぜひご覧ください。

【坂戸市・M様邸】外壁はクリヤー塗装で保護!漆喰工事とあわせて行ったメンテナンス事例

今すぐ確認!漆喰の劣化症状チェックリスト

漆喰の劣化は早期発見が肝心です。以下のチェックリストで、ご自宅の屋根の状態を確認してみましょう。

屋根に上っての確認は大変危険です。 地上から双眼鏡を使って確認するか、専門業者に点検を依頼してください。

①ひび割れ・欠け

漆喰の表面にひびが入ったり、欠けている部分が見られる場合は劣化のサインです。

初期段階ではひびだけで水漏れが起きるわけではありませんが、ひびが広がると雨水の侵入口になります。主な原因は紫外線や温度変化(特に冬の凍害)です。

②剥がれ・浮き

漆喰が浮いて剥がれ始めている状態は、補修が急がれるサインです。

剥がれた漆喰の破片が庭に落ちていたり、雨樋に白い欠片が溜まっていたりした場合も同様です。
この状態になると葺き土が雨にさらされているため、早急な対応が必要です。

③変色・コケ・黒ずみ

白い漆喰が茶色や緑色に変色している場合、水分を含んだ状態が続いていることを示しています。

コケや藻が生えている場合は、漆喰の防水性が低下して水分を吸いやすくなっているサインです。
見た目の問題だけでなく、漆喰内部の劣化が進んでいる可能性があります。

④白い粉が落ちてきた(エフロレッセンス)

屋根の下や外壁に白い粉状のものが付着している場合「エフロレッセンス(白華現象)」 が起きている可能性があります。

これは漆喰の中に含まれる石灰成分が雨水とともに溶け出して表面に析出(せきしゅつ=外に出てきて固まること)したもので、漆喰が水を吸い込み続けていることを示す劣化のサインです。

屋根全体の劣化状況を詳しく確認したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
漆喰以外の劣化症状や緊急度の判断基準もわかりやすくまとめています。

漆喰の補修方法と施工の流れ

漆喰の補修方法は、劣化の程度によって2種類に分かれます。

適切な方法を選ぶことが、費用を抑えながら屋根を長持ちさせるポイントです。

方法① 漆喰詰め直し工事(劣化が軽度〜中程度の場合)

劣化した漆喰を撤去し、新しい漆喰を詰め直す工事です。

棟瓦を解体せず、漆喰部分のみを補修するため、比較的コストを抑えられるのが特徴です。

ただし、内部の葺き土が流出している場合や棟に歪みがある場合は、この方法では対応できないため注意が必要です。

施工の流れは以下の通りです。

  1. 劣化した漆喰をヘラや専用工具で丁寧に撤去する
  2. 下地(葺き土)の状態を確認し、清掃・調整する
  3. 新しい漆喰を手作業で詰め込み、形を整える
  4. 乾燥させて仕上がりを確認する

工期は一般的な住宅の棟部分であれば1〜3日程度で完了します。

方法② 棟積み替え工事(劣化が著しい場合)

葺き土の流出が進んでいたり、棟が歪んでいる場合は、棟全体を解体して積み直す「棟積み替え工事」が必要です。

この工事では、棟瓦をすべて取り外し、劣化した葺き土を撤去したうえで、新たに棟を組み直します。

費用は高くなりますが、屋根の構造から根本的に改善できるため、耐久性が大きく向上します。

DIY補修はなぜ危険なのか?

ホームセンターでも漆喰は購入でき、「自分で直せないか」と考える方もいるかもしれません。しかし漆喰の補修DIYには以下の理由からお勧めできません。

  • 屋根上での作業は転落リスクが高く、非常に危険
  • 古い漆喰を適切に除去しないと、新しい漆喰がすぐに剥がれてしまう
  • 漆喰の量・厚みが不適切だと逆に雨漏りの原因になる
  • 劣化の根本原因(葺き土の状態など)は素人には判断できない

漆喰補修は必ず資格を持つ専門業者に依頼しましょう。

漆喰補修の費用相場

漆喰の補修費用は、工事の種類・屋根の大きさ・劣化の状態によって変わります。
一般的な費用の目安は以下の通りです。

  • 漆喰詰め直し:5万〜20万円程度
  • 棟積み替え工事:20万〜60万円程度
  • 足場代:10万〜20万円程度

※上記は一般的な戸建て住宅の目安です。屋根の形状や劣化状況によって変動します。

屋根修理の費用をできるだけ抑えたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
劣化段階によって費用がどのように変わるのかを詳しく解説しています。

費用が変わる主な要因

費用は以下の条件によって大きく変わります。

  • 補修範囲(部分か全体か)
  • 屋根の大きさ・形状
  • 劣化の進行度
  • 足場の必要性

特に、劣化が進んでいるほど工事規模が大きくなり、費用も高くなる傾向があります。

足場代を抑えるコツ

足場は漆喰補修だけのために組んでも、外壁塗装や雨樋修理と一緒に組んでも、基本的には一度ごとに費用がかかります。

そのため、漆喰補修が必要なタイミングでほかの高所メンテナンスもまとめて行えば、別々の時期に何度も足場を組むより、結果的にトータルコストを抑えやすくなります。

たとえば、

  • 外壁塗装
  • 屋根塗装
  • 雨樋修理

など、他のメンテナンスと同時に行うことで、トータルコストを抑えることができます。

「足場をかけたついでに点検・補修する」という考え方が、結果的に最もコスト効率の良い方法です。

漆喰のメンテナンス頻度と点検のタイミング

漆喰の耐用年数は15〜20年ですが、立地条件や屋根の形状、使用している漆喰の種類によって劣化の速度は異なります。
以下のタイミングで点検・メンテナンスを行うことが推奨されています。

  • 新築・リフォームから10年後:最初の定期点検
  • その後は5年ごと:定期的な目視確認と必要に応じた補修
  • 台風や地震の後:強風・振動による損傷がないか確認
  • 雨漏りのサインがあった時:天井のシミ・壁の変色など

また外壁塗装のメンテナンス(一般的に10〜15年ごと)と同時に屋根の漆喰も点検してもらうのが効率的です。
足場を共用できるため費用の節約にもなります。

「屋根は見えないから後回し」ではなく、定期的なメンテナンスが住まいの寿命と資産価値を守ることにつながります。

まとめ

屋根の漆喰は、普段あまり目にすることがないため見落とされがちですが、実際には屋根の内部構造を守る重要な役割を担っています。

漆喰は瓦よりも寿命が短く、10〜20年程度で劣化が進むため、気づかないうちに補修が必要な状態になっているケースも少なくありません。

特に、

  • ひび割れや剥がれがある
  • 白い破片が落ちている
  • コケや黒ずみが目立つ

といった症状がある場合は、すでに劣化が進行しているサインです。

この段階で適切に補修を行えば比較的軽い工事で済みますが、放置すると棟全体の工事や雨漏りにつながり、結果的に費用も大きくなってしまいます。

「まだ大丈夫」と思っているタイミングが、実は一番コストを抑えられるタイミングです。

屋根は普段見えないからこそ、定期的な点検と早めの対応が重要になります。

無料点検受付中

屋根の漆喰は見えにくく、劣化に気づきにくい部分です。

屋根の状態が気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。

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